レシピ 01経理下書き
青色申告の前処理を、月1回の確認で終わらせる仕組みにした話
「この支払い、何だっけ…」で年末に止まる人へ。私は個人カードと事業用カードが混ざっていて、毎年それでした。AI に"整理係"を作ってもらったら、申告前の地獄がなくなりました。
この記事でわかる3つ
- 1. 「面倒でできない」を、自分がだらしないからで終わらせない。AI に「もっと楽にできない?」と相談するところから
- 2. 続けやすい仕組みを一緒に考える。無理なこと・嫌なことはちゃんと言う。続かなければ意味がない
- 3. 判断は自分がする。だから「何があれば決められるか」を伝えて、根拠つきで材料を整理させる
まず、何に困っていたか
会計ソフトは使っています。困っていたのはソフトじゃなくて、半年後に明細を見たときの「これ何?」。私用混在のカードが1枚あるだけで、年末に思い出し作業が発生するんですよね。
毎年「来年こそは月ごとに整理しよう」と思って、できない。ここで「自分がだらしないから」で終わらせないのが、この話のスタートです。
くじら
今のうちに、AI に何か作らせたら来年ラクになる…?
この話で使ったもの
AI のアプリを入れたばかりの人向けに、この話に出てくるものを先に書いておきます。
- ChatGPT(無料プランで大丈夫): 壁打ち相手。「そもそも何を作るべきか」を一緒に広げる役。この記事では「チャッピー」
- Claude(アプリ): できあがった依頼文を渡して、設計を考えてもらう役。この記事では「Claude くん」
- Claude Code: Claude のうち、パソコンの中でファイルを作ったり動かしたりできる道具。ここで作った「整理係」はこれで動いています。無くても、壁打ちと依頼文の作り方までは同じようにできます
- 会計ソフト: 帳簿と申告は今までどおりこれ。置き換えません
- できたものの実体は、自分のパソコンの中のフォルダ1つ(明細の CSV を置く場所・ルールを書いたファイル・AI への指示書)。サーバーもアプリも要りません
チャッピーと壁打ちした
チャッピー(ChatGPT)との会話を、読みやすく意訳しています。言い回しは変えていますが、決めたことは変えていません。原文はこの記事の最後に。
くじら
ねえチャッピー、来年の確定申告が怖い。個人カードと事業用のつもりのカードが混ざってて、年末にまとめて思い出すのが地獄。今のうちに Claude くんに何か作らせたら楽になる?
チャッピー(ChatGPT)
作るとしたら「確定申告システム」じゃなくて、会計ソフトに入れる前の整理係ですね。カード連携や自動仕訳はソフトが持ってるので、そこは作らないほうがいいです。
くじら
なるほど。じゃあ条件を足すね。青色申告だから複式簿記は要る。「AI の費用は事業」みたいにざっくり言うだけで仕分けしてほしい。私は面倒くさがりだから、毎月の作業は「迷うものだけ見る」で済むようにして。最後のチェックは自分でやるから、見やすくして。
チャッピー(ChatGPT)
了解です。ルールで分類 → 仕訳の候補 → 「要確認だけ見る画面」の3段で。依頼文を出し直します。
くじら
これはいいんだけど、ここが意図と違う。私が判断しやすいように、候補には「なぜそう思ったか」と「何を確認すればいいか」を必ず付けて。あと Claude くんが自分で考えられるように、「個人クリエイターが申告で困る点」は先に調べさせて。
チャッピー(ChatGPT)
新しい依頼文です。追加の依頼ではなく、最初から1本にまとめました。
くじら
投げる前に読む…あ、ここ余計なの足してる…。削除っと。私の性格(毎月コツコツは苦手)も設計条件として書いておこう。はい、Claude くんお願い!
Claude くん(Claude)
設計書と、まず動く最小版ができました。
くじら
やったー! あ、この画面は違う。全件じゃなくて、要確認だけ出して。確定は私が「確定して」と言ったときだけね。
Claude くん(Claude)
直しました。
くじら
いい感じ。使いながら、不備があったら都度直していこう。
ここがポイント(3つだけ)
せっかくオーダーメイドで作るんだから、完全に自分に最適化させる。そのために効いたのはこの3つです。
- 「面倒でできない」を、自分がだらしないからで終わらせない。 まず AI に「もっと楽にできない?」と相談する。年末の地獄は性格の問題じゃなくて、仕組みが無かっただけでした
- 続けやすさを一緒に考える。無理なこと・嫌なことはちゃんと言う。 「毎月コツコツは苦手」と書いたから、設計が「迷うものだけ見る」に寄りました。続かなかったら、なぜ続かなかったかを正直に言えば、また一緒に考えてくれます
- 判断は自分がする。だから「判断しやすい材料」を最大限そろえさせる。 何があれば決められるかを先に伝えて逆算させ、候補には根拠を付けさせる。何をもってそう言っているのかを、自分が確認できる形にしておく
できたもの
- あなた: 明細 CSV を置く
- 自動取り込む
- AI候補と理由を付ける
- あなた: 要確認だけ見る判断
- あなた: 「確定して」と言う判断
- 自動会計ソフト用 CSV を出す
- あなた: 会計ソフトに入れる
月に1回、上の流れで回っています。私がやるのは「CSV を置く」「要確認だけ見る」「確定して、と言う」の3か所だけ。
- 明細を見て「これは何?」で止まらない。迷うものだけ見ればいい
- 候補には「根拠にしたルール」と「確認ポイント」が付くので、何をもってそう言っているかが分かる
- 申告前に「何が終わっていて、何が残っているか」が一目で分かる(未処理・要確認・証跡不足・登録待ち・完了)
毎月の指示が一言で済むのは、ルールが設定ファイルに貯まっていて、Claude Code が自分で読みに行くからです。「○○の利用料は事業」と言えばルールが1行増えて、翌月から効きます。判断を毎月するんじゃなくて、ルールを育てる感じ。細かい作業を下請けの AI に振る指示も設定に書いてあるので、利用量(トークン)も節約できています。
正直なところ、「溜めると面倒」は変わりませんでした。8月にしばらくさぼって、9月に再開しています。月1回の運用は、入力のタイミングを予定に載せないと止まる。これは今も一緒に考えている途中です。9月には家計の分も同じ型で足しました。
あなたがやるとき
- 「自分がだらしない」をいったん棚に上げて、困りごとをそのまま AI に話す。 「年末に思い出すのが地獄」くらいの言葉でいいです
- 無理なこと・嫌なことを先に言う。 「毎月コツコツは苦手」「全件は見たくない」。これがそのまま設計条件になります
- 自分が判断するために何が要るかを伝える。 「候補には理由と確認ポイントを付けて」「迷うものだけ見せて」。根拠が付くと、確認が楽になります
- 自分の「ざっくり法則」を5つ書き出す。 「○○の利用料は事業」「○○は私用」。これが最初のルールになります
注意点
- 会計ソフトは置き換えない。作るのは「入れる前の整理」だけ。ここを間違えると、帳簿の再発明に半年使います
- 税務の判断は AI に断定させない。候補と理由を出させて、確定は自分
- 実データ(明細・証跡)やカード番号・取引先の個人情報は、AI に渡すフォルダに置かない設計にする
- 私用混在のカードがあるときは、支払い元(個人カード/事業用カード/事業用口座/現金)ごとに仕訳の扱いが変わることを依頼文に入れる。ここが抜けると、分類はできても仕訳候補が使えません
依頼文の原文を読む
壁打ちの最後に出てきた統合版です。これをそのまま Claude に投げました。
ここがポイントに対応する行
- 1.
「年末や申告前にまとめて苦しむより、月1回程度で軽く処理して安心できる形にしたいで…」
「だらしない」ではなく「仕組みで楽にしたい」と言い換えた一文
- 2.
「仕組みを作るのは好きですが、毎回手作業で細かく整理するのは苦手です」
無理なこと・嫌なことを正直に書いた。設計が「迷うものだけ見る」に寄った
- 3.
「候補・理由・確認ポイントを出し、最終判断は私が行う」
判断は自分。だから候補に理由と確認ポイントを必ず付けさせる
このレシピは発想と手順の提供です。AIの利用料・環境・結果・税務や法律の判断は、お使いのサービスの契約とご自身の確認に従ってください。

読んでくれてありがとう。「自分ならどう頼むか」が1つでも浮かんだら、それが次の1本の種です。